先人の教え・三方よし


【三方良しの原典】
 「三方よし」とは、近江商人の活動の理念を表す代表的な言葉で、
「売り手よし、買い手よし、世間よし」の精神として知られている。
その原典となるのが、江戸時代中期の近江商人、
中村治兵衛が孫に遺した「書置」です。
 「書置」には、「たとえ他国へ行商に参り候ても、この商内物、
この国の人一切の人々、心よく着申され候ようにと、自分のことに
思わず、皆人よき様にと思い」とあり、「自分のことよりもお客の
ことを考え、行き先(商売に回る地方)の人の事を大切にして
商売をする」という近江商人の商道徳の真髄が示されています。

 たとへ他国へ商内に参り候ても、この商内物、この国の人一切の
人々、心よく着申され候ようにと、自分の事に思わず、皆人よき様
にと思い、高利望み申さずとかく天道のめぐみ次第と、ただその行
く先の人を大切におもふべく候、それにては心安堵にて、身も息災、
仏神の事、常々信心に致され候て、その国々へ入る時に、
右の通りに心ざしをおこし申さるべく候事、第一に候